2018年3月25日日曜日

第26回学習会 婚外子差別を国連に訴えて

第26回学習会 婚外子差別を国連に訴えて


 2013年9月4日最高裁大法廷は、「婚外子の相続分は婚内子の2分の1」とした民法の規定を憲法違反と決定しました。1993年以来、国連の人権条約の各委員会から計10回にもわたって条約違反の指摘と法改正の勧告がなされ、婚外子の相続差別を残す国は、インド・フィリピンなどごくわずかという有様でした。

 勧告されたのは、相続の問題だけではありません。出生届の差別記載(嫡出子か否か)や「嫡出でない子」という差別的用語と概念の廃止、婚外子とその母を社会的差別から保護することなども求められていますが、無視されたままです。相続差別規定の廃止は、婚外子差別撤廃の入口であって出口ではないのです。

 田中須美子さんは、住民票や戸籍の続柄差別裁判を闘うなど、婚外子差別撤廃の活動を中心的に担い自由権規約委員会や女性差別撤廃委員会へのロビー活動なども行ってきました。婚外子差別の国際的現状、国内におけるこの間の成果と残された課題について伺います。ご参加お待ちしています。

*チラシのダウンロードはこちらから!

◆講師:田中須美子さん(なくそう戸籍と婚外子差別・交流会)

◆日時:2018年5月31日(木) 18:30~20:30

◆会場:スマイルなかの 4階 多目的室
中野駅北口より徒歩7分(中野区中野5-68-7)

◆資料代:500円

◆主催:「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会

-E-mail     jinkenkankokujitsugen@gmail.com
-Blog       http://jinkenkankokujitsugen.blogspot.jp/
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2018年3月8日木曜日

第25回学習会 戦後日本で暮らした宋神道(ソン・シンド)さんの人生と『日韓合意』

第25回学習会 戦後日本で暮らした宋神道(ソン・シンド)さんの人生と『日韓合意』




 2017年12月19日、宋神道さんが95歳で逝去されました。宋神道さんは日本軍「慰安婦」にされた朝鮮人女性で、16歳から7年間、中国の慰安所で苦しくつらい日々を過ごし、戦後日本に来られました。

 1993年、日本政府に謝罪と損害賠償を求め提訴しましたが、2003年に最高裁で敗訴が確定し、やりきれない思いを抱えて宮城で生活されていました。2011年3月の東日本大震災ですべてを奪われ、東京へと移住します。

 宋さんと暖かい交流を続けてきた梁澄子(ヤン・チンジャ)さんが中心となり作られた映画『オレの心は負けてない』での宋さんの姿は、ユーモアと皮肉、深い思いに溢れ、多くの人々の気持ちを強く揺さぶりました。

 さて、2015年12月末、「慰安婦」問題をめぐる「日韓合意」が突如締結されましたが、それは被害者抜きの「解決」でした。日本政府が拠出した10億円も、賠償や謝罪としてのものではありません。国連の拷問委員会でも、韓国政府に合意の見直しが勧告されています。
 
 韓国では人々の力で朴政権が倒れ、「日韓合意」の検証を経て、文大統領は「(被害者の)意志に反する合意だった」と謝罪しています。韓国政府は、国際基準に則り真実を認め、名誉と尊厳の回復、傷心を癒やす努力、自発的な謝罪などを促す新方針を発表しましたが、日本政府は「全く受け入れられない」と開き直り、メディアの多くも追随しています。
 
 戦時性暴力の被害当事者不在の「合意」は、「合意」でも「解決」でもありません。
 
 いま改めて、宋神道さんの人生と「日韓合意」について、梁澄子さんにお話を伺いたいと思います。多くの方のご参加をお待ちしています。
 
*チラシのダウンロードはこちらからどうぞ!

◆講師:梁澄子(ヤン・チンジャ)さん
(日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表/希望のたね基金代表理事)

◆日時:2018年3月23日(金) 18:30~20:30

◆会場:連合会館 5F 501会議室(千代田区神田駿河台3-2-11)
http://rengokaikan.jp/access/

千代田線・新御茶ノ水駅 B3出口(徒歩0分)
丸ノ内線・淡路町駅 B3出口(B3出口まで徒歩5分)
都営新宿線・小川町駅 B3出口(B3出口まで徒歩3分)
JR中央線/総武線・御茶ノ水駅聖橋口(徒歩5分)

◆参加費:500円

◆主催:「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会

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2018年3月4日日曜日

第24回学習会の報告

第24回学習会の報告

UPRの対日審査って何? 各国から日本への人権勧告
~国連人権理事会の普遍的・定期的審査~

日時 2018年1月29日(月)18:30~21:30
会場 スマイルなかの 4階 多目的室
講師 北村聡子 弁護士(日本弁護士連合会・国際人権問題委員会 副会長)

1、UPRとその意義

 国連のUPR(Universal Periodical Review=普遍的・定期的審査)は、国連の人権機構改革の一環として2008年からスタートした、国連の人権制度の中では比較的新しい制度である。

 その最大の特徴は、193の国連加盟国がお互いに被審査国・審査国になり相互審査を行うという点にある。人権条約機関による条約審査の場合、その分野の専門家による「絶対評価」である。一方UPRは相互審査のため、自国でやっていないことは、他国にも言えないという意味で、「相対評価」の部分がある。その結果UPRの勧告を見れば、被審査国が他国に比べて劣っている分野があぶり出されることになり、それがUPRの特徴と意義である。

 審査の過程は、①被審査国とNGOがOHCHR(人権高等弁務官事務所)に報告書を提出。②国連理事会のUPR作業部会での審査と結果文書採択。審査時間は1か国3時間30分で、被審査国と国連加盟国の対話で行われる。この審査ではNGOは発言出来ない。③最終的に次回の国連理事会で、被審査国は、勧告に対する態度表明を行う。4年半ですべての国が審査される。

 審査のための基礎資料は、①被審査国の政府報告書、②OHCHR作成の条約機関・特別手続等の国連文書要約、③OHCHR作成の国連のNGO等から提出された情報の要約である。

 審査基準は、国連憲章、世界人権宣言、人権条約、国際人道法などである。

2、これまでのUPR日本審査と政府回答

 第1回が2008年に行われ、26件の勧告が出た。

 第2回は、2012年に行われ174件の勧告が出た。第2回の日本への勧告は、その数の多い順から「未批准条約・議定書の批准」「死刑」「女性差別」「DV、人身取引」「差別」「刑事拘禁」などであった。

 それに対する政府の回答は、「フォローアップすることに同意する」118件(68%)。「部分的にフォローアップすることに同意する」7件(4%)。フォローアップすることに同意するという回答は、単にフォローアップするというだけで、勧告を実現するという意見表明ではなく、「留意する」に近い。他国でこのような回答をする国は、調べた限りなく、日本政府独特の回答である。さらに「受け入れない」26件(15%)。「その他」23件(13%)で、その他は事実上受け入れないことである。こうしてみると、日本政府の態度は、ほとんどの勧告に対して実現しようとする姿勢が見られない。

 他の国と比較してみる、例えば韓国は、70件の勧告に対して「完全に受け入れる」が42件(60%)である。フィンランドは77%、インドは49%、イギリス69%、南アフリカは90%が、勧告を「受け入れる」と政府が回答している。

3、第3回UPR日本審査勧告の特徴

 第3回は、2017年3月にNGOが報告書を提出。審査を前にした10月、日本から多くのNGOがジュネーブに行き、プレセッションや各国のジュネーブ代表部へのロビーイングを行った。日弁連、グリーンピースジャパン、IMDAR(反差別国際運動)、沖縄国際人権法研究会、全国精神病者集団の5つのNGO は、UPR主宰のプレセッションでステートメントを読むことが許された。ロビーイングのポイントは、具体的な勧告案を示すこと、根拠となる正確で具体的な情報を提供することである。

 11月、人権委員会のUPR作業部会で審査が行われ、結果文書が採択され、246件(一つの勧告に複数国がかかっている場合それぞれカウント)の勧告が出た。前回に比べ数が増え、しかも具体的な内容の勧告が増えたのが特徴である。NGOの積極的な働きかけの結果と思われる。

 勧告の内容は(人によって分類方法に違いがあるため数は絶対ではないが)、差別関係66件、条約・選択議定書の批准31件、国内人権機関31件、死刑29件と続く。差別の内容は、女性、人種、LGBT等に関するものである。人種差別に関する勧告には、差別禁止法の制定を求める勧告が増え、ヘイトスピーチに言及した勧告、朝鮮学校高校無償化に関する勧告が新たに加わった。また福島、障がい者に関する勧告も増えた。さらに新たなものとして、ビジネスと人権、メディアの独立性、核兵器・被爆者に関する勧告がある。
UPRの相互審査であぶりだされた、日本が国際水準に比べ遅れている分野は、国内人権機関(120ケ国以上に存在)、個人通報制度(自由権規約について116ケ国が批准)、死刑制度(多くの国が廃止もしくは執行停止)、女性差別(ジェンダーギャップ指数は144ケ国中114位)、人種差別(38ケ国中37位、2015年Migration Integration Policy )である。また日本独自の問題が生じている分野として、メディアの独立、原発、被爆者等についての勧告も出た。

 これらの勧告に対し、今年3月に日本政府は態度表明をしなければならない。

4、UPRの課題と、私たちがしすべきこと

 UPRの勧告を日本国内で実現させていくことは、大きな課題である。政府はUPRにあまり重きを置いていないように思える。UPRの勧告は、出ただけで満足してはならず、政府・立法府へ働きかけの「きっかけ」として活用しなければならない。またメディアに働きかけ、まだマイナーなUPRを知ってもらい、世論を動かし、政府の意識改革を迫っていく必要がある。

 UPRの勧告は立法府に向けられているものも多く、行政府だけではなく、個々の国会議員へ丁寧な説明を行い、立法府に働きかけていく必要もある。実際、UPR審査に国会議員を連れていく国も増えている。国会も野党だけではダメで与党への働きかけも必要であり、日弁連ではいま、与党にも働きかけている。

 日本は国連から言われることにすごく反発する。以前は、国際連合を脱退して第2次世界大戦に突入した。安倍政権下、政府主導で進むいまの政治は、そこに戻っていくようで恐ろしい。ナチス政権の時、他の国は何も言えなかった。それに対し他の国も言えるようにというのが、UPRの制度でもある。

 北村弁護士の講演を聞いて、参加者は改めてこの会そのものが、「国連の勧告は実施する必要がない」という安倍政権の閣議決定に怒って発足した原点を確認。UPR勧告の実現にむけて、今後いっそう、国会・国会議員や、内閣府、外務省など各行政省庁に積極的に働きかけて行かなければとの思いを強くした。
 

2018年1月29日月曜日

第24回学習会 UPRの対日審査ってなに?各国から日本への人権勧告  ~国連人権理事会の普遍的・定期的審査~

UPRの対日審査ってなに?各国から日本への人権勧告
~国連人権理事会の普遍的・定期的審査~



 2017年11月、国連人権理事会で日本に対する第3回目の普遍的・定期的審査(UPR)が行われました。前回(2012年)の審査では、世界79の国・地域から日本に対し174の人権勧告がありました。第3回目となる今回は、前回を上回る106の国や地域から218にのぼる勧告が出され、その後の作業部会で報告書案として採択されています。

 主な勧告だけでも、日本軍「慰安婦」への謝罪と補償、朝鮮学校の「高校無償化」、障害者権利条約の履行、包括的な差別禁止法や国内人権機関の設立、アイヌ民族及び琉球・沖縄の人々の社会・経済・文化権等の権利の保障、移住労働者権利条約の批准、外国人技能実習制度の改善、特定秘密保護法や報道の自由への懸念、死刑制度廃止、原発事故避難者への支援継続、個人通報制度の批准、刑事手続きや被拘禁者の処遇改善など、とても多岐にわたります。そして日本は、前回・前々回の勧告をほとんど実施していないという指摘もされています

 日本政府は、2018年3月に開かれる人権理事会までに、各国から出された勧告を受け入れるかどうか、その可否を表明する予定です。私たちは日本政府に対し、これらの人権勧告を受け入れ、この日本における人権侵害状況を速やかに改善するように強く求めます。
 
 今回の学習会では、この国連人権委員会の普遍的・定期的審査(UPR)について、日本弁護士連合会の国際人権問題委員会副委員長として尽力されている、北村聡子弁護士を講師に迎えお話をしていただきます。
 
 このような形でUPRについての話を伺える事はあまりなく、今回は貴重な機会ですので、ぜひ皆さま奮ってご参加ください。

◆講師:北村聡子さん(弁護士/日本弁護士連合会・国際人権問題委員会副委員長)

◆日時:2018年1月29日(月) 18:30~20:30

◆会場:スマイルなかの 4階 多目的室
中野駅北口より徒歩7分(中野区中野5-68-7)

◆資料代:500円

◆チラシのダウンロードはこちらからどうぞ!

◆主催:「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会